座間の家

 座間市の住宅街に立つ子育て世帯のための住宅です。南面接道の素直な敷地を活かしたシンプルなプランは建坪25坪とコンパクトながらも、ゆったりと過ごせるように心がけ、子育てや仕事、趣味なども受容できるおおらかな場を目指しました。
 配置は日当たりのよさを活かした庭と建物の計画とし、旧家の解体時に残すことを決めたハナミズキの樹と駐車スペースを兼ねた緑化ブロックで外構を設えています。1階はリビングダイニング、キッチン、水回りで構成。目隠し板塀のあるテラスで外からの視線は遮りつつ、内部から庭の緑が楽しめるようにしています。2階には空を眺められるタタミスペース、ウォークインクローゼットなど収納を充実させた寝室、1帖サイズのワークスペースなどから成ります。上下階とも杉の架構現しの空間とし、深い軒で日射を制御しています。日当たりの良さを生かし、屋根にはソーラーパネルも載せた長期優良住宅です。
 建物の引き渡し後すぐに、お子さんが生まれて3人暮らしになったご家族。賑やかな暮らしを支えるおおらかな住まいが出来たように思います。

私の住み心地
家は決して広いわけではありませんが、リビングの南向きの掃き出し窓のおかげで部屋全体が明るく広く感じることができています。また、軒を長めにしたおかげで明るさは入りますが、直接日差しが当たって暑くなることが少なく、今夏の酷暑でも快適でした。壁の砂しっくいの調湿効果も快適性を上げた一つだと思うので、取り入れて良かったです。効果以外にも砂しっくいの昼の日差しが当たった時、夜のライトが当たった時、それぞれの表情がとても気に入っています。
子どもがもう少し大きくなったら、2階の畳の間で家族3人マンガを読んだり、のんびりごろごろしたりするのが楽しみです。本物の木を天井や床にふんだんに使用していることで全体的に柔らかい雰囲気なのもお気に入りのポイントです。一生に一度の家づくり、細かいところまで自分たちの要望を伝えることができて、完成まで楽しみながら進めることができました。

所 在 地 神奈川県座間市
用  途 住宅
工  種 新築
構  造 木造2階建 在来工法 ベタ基礎
敷地面積 108㎡(33坪)
建築面積 45㎡(13.5坪)
延床面積 85㎡(25.5坪)
工事費 3000万円台中盤
設計監理 後藤智揮(後藤組設計室)
構造設計監理 村田龍馬 池宮康清(村田龍馬設計所)
施  工 高杉 貴志(現場監督) 平子正巳(棟梁) (瀬戸建設)
設計期間 2023年3月-2023年10月
施工期間 2023年11月-2024年5月
ごも日記 「座間の家」編
仕様概要 Ua値 0.52 長期優良住宅取得
耐震等級3相当 子育てエコホーム支援事業取得
屋根:ガルバリウム鋼板+通気層+スタイロフォーム3種B90mm(屋根断熱)
外壁:リシン吹付+通気層+高性能GW105mm(充填断熱)
内壁:砂しっくい塗(一部 AEP塗料)
床 :カラ松、基礎:スタイロフォーム3種Bt=60mm(基礎断熱)
  • テラスと連続した居間。奥にはハナミズキの樹が見える。

  • テラスの目隠し塀によって外からの視線を遮りつつ、中からは広がりを感じられる。

  • 4帖のテラス。玄関との間に宅配ボックスを置く。

  • マンガを読むためのタタミスペース。タタミに寝転ぶと空が見える。

  • 将来、中央で部屋を区切ることも想定している。

  • 2Fの寝室。柔らかい光で砂しっくいが照らされる。

  • トイレと洗面脱衣室。洗面脱衣室は真鍮の金物をポイントで入れた。

  • 居間のに引き違い窓の納まり。梁を現し、さりげない額縁とした。

  • (左)台所 (中)ワークコーナー兼パントリー (右)階段

  • (左)階段 (中)1帖の夫の趣味室 (右)寝室脇のウォークインクローゼット

  • 庭に向かうように置かれたソファ。緑化ブロックの緑も徐々に育ってきている。

  • 軸組模型 1/50

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